超漢字統合辞書 詳細解説

はじめに

パーソナルメディアでは、超漢字の多漢字機能を搭載し、一つのウィンドウで複数の電子辞書の検索を可能にした、辞書検索の統合ソフトウェア「超漢字統合辞書」の発売を開始いたしました。本稿では、超漢字統合辞書の主な機能を紹介いたします。

「超漢字統合辞書」の発売にあたって

「超漢字V」は、18万字を越える文字を自由に扱うことができる多漢字OSです。パーソナルメディアでは、超漢字専用のソフトウェアとして、「超漢字広辞苑」「超漢字岩波新漢語辞典」などの電子辞書を販売して参りました。

超漢字の電子辞書は、OS自体の持つ多漢字機能を活かして、見出しや解説文の漢字に外字や図形イメージを使わずに書籍版(『広辞苑第五版』、『岩波新漢語辞典第二版』。いずれも岩波書店刊。書籍版の中の一部の図表および付録は、本製品内には含まれません)の字形を忠実に再現したことが特長となっており、これまでにたくさんの超漢字ユーザーの皆様にご愛用いただいております。一方で、「超漢字広辞苑」や「超漢字岩波新漢語辞典」以外の電子辞書を超漢字でも活用できないか、というご要望も多数いただいておりました。

ところで、当社では、文筆家の原稿執筆のための専用エディタソフト「超漢字原稿プロセッサ2」を2004年11月に発売し、その後も執筆環境全体をサポートするシステムの開発に力を注いでおります。

一つの作品を書き上げるためには、幅広いジャンルから資料を収集する作業や、読者にメッセージを伝えることができる的確なことばを探し出す作業が欠かせません。膨大な情報の中からオリジナルの表現やアイディアを見つけ出す手掛かりとして、より多くの電子辞書を簡単に調べられる機能が求められることがわかりました。

そこで、超漢字のメリットを活かしつつ、“ことば探しの窓口”となる統合辞書検索ソフトの開発を進めた結果、超漢字の2つの辞書に加え、電子出版の共通フォーマットであるEPWING形式の電子辞書を同時に検索できる「超漢字統合辞書」が誕生しました。

超漢字統合辞書の特長

本製品は、以下の特長を持っています。

EPWING形式の電子辞書に対応

EPWING形式の電子辞書を超漢字統合辞書に登録することにより、英和・和英辞典や時事用語事典などの辞書コンテンツも、超漢字上で簡単に利用できるようになりました(「利用できるEPWING検索機能とEPWING辞書」をご確認ください)。

さらに、EPWING形式の辞書のうち、当社で対応をおこなった辞書については、アクセント付きアルファベットやJIS外字を、外字や図形イメージを使わずにTRONコードの文字を使って表示させることができます。超漢字専用の辞書ソフトと同様に、検索結果の再利用性を高めています。

超漢字の多漢字電子辞書も利用可能

超漢字統合辞書を登録すると、まず標準で「超漢字広辞苑」と「超漢字岩波新漢語辞典」のコンテンツが検索できるようになります(事前に「超漢字広辞苑」「岩波新漢語辞典」が登録されている必要があります。「超漢字統合辞書」には、両製品が同梱されています)。この2つの辞書は、超漢字統合辞書を使って検索することもできますし、それぞれの小物を起動して別々に検索することもできます。もちろん超漢字統合辞書でも、書籍版の字形を忠実に再現しています。

一つのウィンドウでの複数辞書の検索を実現したことにより、原稿の執筆中はできるだけ余計なウィンドウを開きたくないという方や、ノートパソコンなど小さなウィンドウの環境で利用している方にも快適に超漢字の電子辞書をお使いいただけるようになりました。

また、今回は国語辞典や漢和辞典の意味を調べられれば十分であるという場合には、今までどおり超漢字広辞苑や超漢字岩波新漢語辞典だけを起動して利用することができます。超漢字統合辞書と、超漢字広辞苑や岩波新漢語辞典の小物を同時に起動して利用することもできますので、目的に応じて辞書ソフトを使い分けることもできます。

「超漢字統合辞書」の検索機能からは、「超漢字広辞苑」の見出し語検索、全文検索の機能と、「超漢字岩波新漢語辞典」の音訓・表記による親字・熟語検索、全文検索の機能を利用できます。

充実した検索機能

超漢字統合辞書は、各辞書コンテンツの見出し語による検索と、本文全体から検索する全文検索機能に対応しています(「利用できるEPWING検索機能とEPWING辞書」をご確認ください)。

見出し語検索は、前方一致、後方一致(逆引き)、完全一致、部分一致、ワイルドカードを使った検索語の入力といった検索方法を指定することができます。

見出し語だけでなく、解説文に含まれる語句も含めて本文全体から検索したい場合は、全文検索を指定します。全文検索では、複数の検索語を指定して検索することができます(AND検索)。

EPWING辞書の種類によっては、成句検索(英和・和英辞典のイディオムや慣用句から検索)、用例検索(英和・和英辞典の例文から検索)、条件検索(本文中のキーワードや関連事項から検索)も見出し語検索と同様に簡単に利用できます。これらの検索でも、複数の検索語を指定できます(AND検索)。

検索する語句を入力して検索方法を選び、検索を開始すると、指定した検索条件に該当した検索結果の一覧がウィンドウ内に表示されます。検索結果をクリックまたはダブルクリックすると、その見出し語に対する本文の内容を閲覧することができます。

検索した結果や本文の内容は、ドラッグ&ドロップで他のウィンドウにコピーしたり、新しい実身に保存しておくことができます。

串刺し検索機能

串刺し検索とは、同一の検索条件で複数の辞書を一括検索できる機能です。あらかじめ複数の辞書を登録して検索対象に設定しておけば、辞書のジャンルにとらわれずに検索できるので、ひとつのことばをきっかけにして幅広く情報を集めることができます。

登録した辞書を串刺し検索の対象とするかどうかは、簡単な操作で切り替えることができます。検索する内容に応じて対象辞書を使い分けると良いでしょう。

串刺し検索時にも、よく使う辞書の検索結果にスムースにアクセスできるように、検索結果一覧で表示する辞書の順番を指定することができます。たとえば、閲覧頻度の高い辞書を先頭に、たまにしか利用しない辞書は後方に設定しておくというように、表示の優先順位を付けておくことができます。

選択範囲の内容をワンタッチで串刺し検索

画面に表示されている本文の文字列を選択枠で囲むと、その文字列を検索条件として串刺し検索を実行することができます。ユーザーが指定している検索方法と関係なく、登録されている検索可能なすべての辞書に対して検索を行います。

たとえば、広辞苑で調べたある用語を選択して選択範囲の内容を検索すれば、類義語や英語での言い回し、実際に使われた用例などを一度に調べることができます。また、ある歴史的事件について調べている場合には、検索結果の本文に表示された人物の名前や関連する事件など、目に付いた情報を簡単な操作で次々に検索し、読み進めていくことができます。

目次や索引を使った検索

辞書コンテンツのなかに目次や索引のデータがある場合には、目次や索引の見出しから段階的にリンクをたどって本文の内容を読み進めることができます。調べたいジャンルやカテゴリーがあらかじめわかっている場合には、書籍の目次からページをたどるようにして、調べたい事項を探すことができます。

異形字ゆらぎ同一視

超漢字統合辞書には、超漢字の多漢字機能の特長の一つである、異形字ゆらぎ同一視を搭載しました。

異形字ゆらぎ同一視を設定することにより、新字体と旧字体、異なる文字セットの同一字形を区別せずに検索することができるので、辞書に掲載されている人名や地名、旧字体で書かれた文献の記事などを簡単に見つけ出すことができます。

おわりに

辞書を引く目的は、ただ単にことばの意味を調べるだけではありません。創作活動の場で、作品のイメージを広げ、自分だけの表現を見つけるために、広大なことばの海を漂う場合もあれば、教養を深めるために、辞書を読み物として楽しむ場合もあるでしょう。

超漢字統合辞書は、辞書の種類を越えた表現の模索をサポートすることを目的に開発されました。超漢字統合辞書が人とことばをつなぐ掛け橋の一つになれば幸いです。

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